2010/09/05

弱 鬼

弱い鬼がいる、というわけではないけれど、童話などに出てくる鬼には少し弱いところがありますよね。意外にこわがりだったり、力は強いけれど頭のほうが少々、だったり・・・。
ちょっと、失礼な気もするけれど、「弱い」という言葉を聴くとなんとなくほっとするのは、なぜでしょうね。

私が「らくがき」を何も考えずにすると、大抵、弱そうな鬼になってしまいます。きっと、自分自身の中に弱いところがたくさんあるのでしょう・・・。

誰ですか・・・「似てる」なんていうのは・・・。

2010/08/29

なき鬼


ちょっと、ゴタゴタしておりまして、お久しぶりです。

本当に暑い夏でした。


そういえば、鬼には季節など関係ないように思いますが、本当のところどうなのでしょうね?


季節、感情、その他諸々の、場合によっては邪魔とも言える人間の感覚をものともしない鬼たち。それ故、恐怖でありながら、他方では畏敬の念を持って、人々は「鬼」を見ているのかも、と思ったりもします。


そんな風に思いつつ、でも、誰にも見られないところで泣いている時も…なんてね。

んな訳ないか。

2010/07/19

邪鬼

 鬼好き、という割には宗教の勉強どころか、お坊さんのお話もろくに聞かず、もっぱら、気に入った絵を見るだけ、描くだけですので、怒られるかも・・・です。ここだけの話にしてくださいね。

 もちろん、仏像を見たり、描いたりするのは大好きなのですが、時々、仏像の脇などに、追われたり、あるいは踏みつけられたりする「邪鬼」を見つけることがあります。たぶん、お話を聞けば、それに纏わる物語があるのでしょうが、それすら聞きもせずに「そこまで…」と思ったりするのです。

「無邪気」という言葉は「子供」を指しています。ということは大人は「邪鬼」なのでしょう。簡単には神や仏の道に帰依できないでしょうが、「邪鬼」は「邪鬼」なりに「頑張っているのに、と思ったりするのです、なんてね。

これは東大寺の四天王の一人、広目天の足元に踏みつけられている「邪鬼」です。
やっぱり、叱られますね…お坊様に…。



2010/06/13

らくがき その2


子供の頃、お絵かき帳というノートがあり、みな、それにらくがきをしていました。

ところが、親が妙に厳格な人で、「らくがき」をすると、叱られました。

どうせ描くなら、ちゃんとした絵を描け、というのです。

賢い人なら、適当にあしらうこともできたのかもしれませんが、ことイラストに関してはどうしても納得できず、しょっちゅう、叱られっぱなしでした。

「ちゃんとした絵」と「らくがき」との境が見えなかったのです。

今でも、相変わらず境は見えないままで、それゆえ貧乏なのかな、と思う今日この頃です。

2010/06/06

らくがき


子供のときに「らくがき」が嫌いだった人って、いませんよね。

僕も本当に大好きでした。

「らくがき」が好きで、「勉強」が嫌いだった人の教科書ってみんな、同じだったのだろうか、と思うほど、あるいは下手をすると読めないほど、どの教科書もらくがきだらけでした。


小学校の頃、時々、教科書の点検(?)があったのですが、先生に「お前のはええわ、見たくない」といわれたことがあります。もちろん、怒られたに違いありませんが、逆手にとって「解禁」とばかりに「らくがき」に拍車がかかりました。


もう、いい歳になりましたが、今でも「らくがき」、大好きです。

2010/05/23

畏敬の念

それほど・・・というより、ほとんど「鬼の絵」は売れていませんが、それでも、何かの折、買ってくださる方も居られます。

以前、そんな方の一人に「針灸医院の先生が居られました。
少し大きめの「鬼の肖像」を買ってくださり、診療所に掛けたい、とのこと。
こっちのほうが恐縮して「この絵で本当にいいのでしょうか」とお聞きすると「鬼は強いから、元気をくれそう」とのご返事。

日本人にとって「鬼」は恐怖だけではなく、その強さゆえに「尊敬」の対象でもあるのだなあ、と改めて思いました。

あの「鬼」、今でも「元気」を分けてくれているのでしょうか。
(作品は買っていただいたものとは違います。念のため。)

2010/05/16

パンジー


鬼が好きではありますが、固執しているわけではありません。
色んなものが、とにかく描きたくて、絵描きになりました。
でも、世の中、なかなか思い道理にならなくて、いろんなことをやってます。

ソフトのイラストレーターなどを教えながら、時間を見つけては趣味のように絵を描いているイラストレーターって、なかなかいないと思いません?

それでも、やっぱり、描くのがすきなんですよね。

2010/05/09

徒党

「徒党を組む」という言葉があります。
自分自身に対しての言葉ではなく、相手に対して使う言葉だそうです。

だから、鬼が徒党を組む・・・。

だけど、鬼側から見ると、「結束が固い」、となるのかもしれません。

人間は、最近はどうなのでしょう?

そういえば、鬼同士がいじめるなんて聞いたことないですよね。人間に対しては厳しいけれど。

人って「徒党」さえ組めなくなっているのかも・・・って、寂しいかも・・・。

2010/05/04

出てきた

今日、本屋さんで「ボールペンで書くイラスト」という本を見かけました。
中学校の頃から「筆記具」が好きで、色んな「筆記具」で絵を描いていました。
私にとって「筆記具」は文字ではなく絵を描く道具でした。
ことにボールペンは好きな「筆記具」で、中でも当時、流行語にもなった「まっくろけのけ」というペンが好きで、よく使っていたのを昨日の様に覚えています。

もちろん、「邪道」だったのでしょうが、この本を見かけたとき、ボールペンにも市民権が与えられたような気がして、さわやかな気持ちになりました。

私のボールペン画、です。

2010/04/29

想像上の生き物であるからには、どう描いてもいいと思うのだが、まったく違った「鬼」の絵を見たことがないし、もし、そんな絵をみていたとしても「鬼」とは気づかずに通り過ぎたのだろうと思う。
それほどに私たちにとって「鬼」は「鬼」そのものである。
海外の絵画にも「鬼」に近い「魔物」が出てくるが、それらもどことなく「鬼」に似ている。

やっぱり、「想像」ではなく…

いやいや、「想像上の生き物」ですよ・・・ね・・・。

2010/04/25

見知らぬ土地

鬼は「家」に住んでいるのでしょうか。
酒呑童子の絵などを見ていると、家屋もありそうだけど、
やっぱり、どこからともなく現れるほうがピンと来ます。

食を求めるためか、人(同胞)を求めるためか・・・。
それとも、異人種からの逃避か・・・。

鬼は転々といろんなところへ移動するような気がします。
逃避であるわけはないのでしょうが、さりとて、戦争を
するわけでもなさそうなあたりに、「人間」とは違う何かが
ある、なんていうのは、いささか鬼びいき過ぎでしょうか。

2010/04/18

記憶

「記憶」と言っても、実際に「見た」記憶ではありません。

幼い頃(昭和30年後半ごろ)、夕方遅くなると、
今みたいに明るい水銀灯などなく、あたりも急に暗くなっていました。

蛙が鳴くから、か~えろ・・・などと歌いながら帰る道すがら、
ふと目をやると、その瞬間に何かが消えた・・・そんな、記憶。
ゴミ箱や電柱の陰、見えにくくなった半暗闇の中・・・。
何かが「いた」記憶ではなく、何かが「消えた」という記憶だけがありました。

「何が…誰が…いたんだろ…」

気のせい、といわれればそれまでなのですが、
この年になっても「誰かが消えた」という記憶が頭の奥に残っているのです。

2010/04/11

ともだち?

山の中で偶然であった鬼同士。

お互いに一人ぼっちだから、どちらからともなく

話をしながら、いつの間にかここまできた。

姿も色も、お互いに違うけど、

これって、もう、

と・も・だ・ち、だよ・・・ね!?

2010/04/04

般若


ものの本を読むと、「般若」は女性が嫉妬心から蛇に身を変えて男を追いかける過程での変化である、とのこと。
能、そのものを見たことはないけれど、恐ろしい形相のうちにある「悲しみ」を見事に表現している、素晴らしい芸術だと 、能面を見るたびに思います。

能面などとは比べ物にはなりませんが、少しでも「鬼」の気持ちが書けたらなあ、と思いながら、描く時間を見つけています。

2010/03/28

こわい?


私は自分で言うのもさびしい(?)ですが、決して「かわいい顔」ではありません。
でも、赤ちゃんなどに突然泣き出されたりすると、「ごめんね、ごめんね」とその場を離れつつ、
「そんなにこわいかな?」と、自分の顔を思い
浮かべたりします。
そして、ふと、思います。
「鬼の国に言っても、泣かれるのかな」って・・・。
「そんなに、恐い、かな?」

2010/03/21

作り物


鬼が独り言を言いました。
「俺たちの姿なんか見えないくせに、
人間はよくこんなものを作るよなあ。
ちょっと俺に似ているんじゃないか・・・!?」
ちょっとしてから、また、言いました。
「ひょっとして、みえているんじゃあ・・・?」
本当に「見える」人がいるのかも知れませんね。

2010/03/15

生活


鬼にもいろいろあって、すべてが食人鬼というわけでもない様で・・・。
普通に『人間』とは別の世界で生きているのであれば、
普通に『生活』がありそうな気がする。
そんな風に思って描く絵は、どれもみんな、
どことなくのんびりになってしまう。
結局、人間は文明を維持するために、
鬼たちなんかとは比べられないほど必死に生きているのでは、と思う。
さすれば、僕などは鬼たちとであったが故に、
人間の世界では『落ちこぼれ』のレッテルを貼られたのでは・・・と思う今日この頃・・・。

2010/03/08

悲鬼


鬼にも鬼なりにつらいときがあるのではなかろうか。
それとも、鬼にはそんな弱さはないのだろうか。


地獄にいる鬼が、こんな鬼であるわけもないとは思うのだが、
ひょっとしたら、閻魔様の前ではこんな顔で必死の弁解を・・・。


鬼さんこちら、手のなるほうへ・・・。

2010/02/27

こんな名刺!?


デジタルの方、こんな感じです。
子供のときって、角も一本?
って言うか、子供の鬼って・・・。
じゃあ、お母さんって・・・。
想像は限りなく膨らみます。

2010/02/20

気持ち

本の挿絵が完成してからも、しばらく、感覚が手に残っていて、勝手に描いた「モクの鬼」です。
さらに不気味かも・・・。(本には載ってませんから、ご心配なく。)


人も時として、知らず知らずのうちにこのような表情をしてしまうことがあるかもしれません。
って言うか、「鬼」が好き、って言う時点でこんな顔になっているのかも・・・。

くわばら、くわばら。

2010/02/14

「おによろし」から


「おによろし」…内容は読んでのお楽しみ! ですが、ひとつだけ、絵をご覧ください。
表紙はデジタルですが、中はアナログ、水彩画です。
この絵の題名は「モクの鬼」
ちょっとこわいかな…とも思いますが、本当に「一気に」描けた絵で、ちょっと、気に入っています。
それにしても、優れた文章(作品)は絵描きが絵を描きたくなるものなのですね。
畑中先生、本当にありがとうございました。

2010/02/11

はじめまして。


早速ですが、CMです(笑)。
「てらいんく」という出版社から畑中弘子さんの「おによろし」という本が出ています。素敵なお話が10篇・・・1篇に一枚、絵を描いています。
本当に素敵な作品で、一篇読み終える都度、頭の中では、絵が出来上がっていました。
ただ、描き始めると、手がついていかず、もどかしい思いをしました。
絵の稚拙さはお許しいただき、ぜひ、一度、お読みくださいませ。